○小美玉市消防本部潜水士活動要綱
平成28年3月9日
消防本部訓令第8号
(目的)
第1条 この訓令は、小美玉市救助規程(平成18年小美玉市訓令第19号。以下「救助規程」という。)第18条に基づき、水難救助業務等の実施に関し必要な事項を定める。
(水難救助業務)
第2条 水難救助業務とは、次の各号に該当する場合に行う救助活動をいう。
(1) 河川、池等への転落、投身等による溺水のため救助を必要とするとき。
(2) 河川、池、プール等で遊泳時の溺水のため救助を必要とするとき。
(3) 洪水等の災害により家屋に取り残されるなど、救助を必要とするとき。
(4) その他、消防長が水難による災害から人命救助のため必要があると認めたとき。
(潜水隊の配置及び編成等)
第3条 消防本部に潜水隊を置く。
2 潜水隊は、潜水隊長、潜水副隊長、潜水隊員、船舶操縦員及び監視員をもって編成し、潜水隊長は消防司令補以上の階級にある者、潜水副隊長は消防士長以上の階級にある者をもって充て、原則として次により編成するものとする。
(1) 潜水隊長 2名(各部1名)
(2) 潜水副隊長 2名(各部1名)
(3) 潜水隊員 8名(各部4名)
(4) 船舶操縦員 6名(各部3名)
(5) 監視員(必要に応じ、現場において指命する。)
3 潜水隊員等は次の各号に該当する消防職員から消防長が選任する。
(1) 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第72条第1項の規定による潜水士免許の交付を受けた者
(2) 水難救助に関する専門的な教育を受けた者
(3) 船舶操縦者は小型船舶操縦免許2級以上の資格を有する者
(責務)
第4条 潜水隊長は上司の命を受け、潜水副隊長、潜水隊員等を指揮監督し、水難救助活動の円滑な実施に努めなければならない。
2 潜水副隊長は、隊長を補佐し、隊長に事故あるとき、又は隊長が欠けたときは、その職務を代理する。
3 潜水隊員は、平素から水難救助活動に必要な知識及び技能の習得及び体力の向上を図り、いかなる災害にも適切に対応できる臨機の判断力及び行動力を養わなければならない。
4 船舶操縦員は、平素から水難救助活動に必要な知識及び技能の習得を図り、いかなる災害にも適切に対応できる臨機の判断力及び行動力を養わなければならない。
(管理責任)
第5条 水難救助活動の実施に際し、その管理責任は、救助規程第9条の規定を準用する。
(水難救助活動要領)
第7条 水難救助活動は次の各号に掲げる方法により実施するものとする。
(1) 救命ボートを利用する救助
(2) 陸上から救命浮環、ロープ、竿等の器材を使用する救助
(3) 水泳による直接救助
(4) 潜水器具を使用する救助
(6) 前各号に掲げるもののほか、水難の様態を勘案し、消防署長(不在時は、現場での最上級指揮者又は指揮隊長)が最も適切と認める方法
(捜索活動の限界)
第8条 客観的に見て死亡が確定的になり、関係者等により対処不能な場合の捜索活動は、次の各号に掲げるところによる。
(1) 潜水捜索活動は、潜水士1名につき1日2時間を目安に2日間を限度とし実施するものとする。
(2) 陸上捜索活動は、日の出から日没までの時間帯で5日間を限度として、消防職員及び管轄区域内の消防団員により実施するものとする。
(3) 消防長又は消防署長は、前各号に掲げる捜索活動を実施するときは、あらかじめ関係機関と協議するものとする。
(関係機関との協力体制)
第9条 出動各隊は、警察及び関係機関と緊密な連絡調整を行い、水難救助活動の円滑な遂行に努めなければならない。
(訓練)
第10条 消防長又は消防署長は、水難救助業務等に際し、迅速、的確な救助活動を行うため、計画的な訓練を行うものとする。
(潜水資器材の管理及び報告)
第11条 潜水隊員は常に資器材を点検し、常時使用できる状態に維持管理しなければならない。
(報告)
第12条 水難救助活動を行ったときの小隊別救助活動の報告は、救助規程第14条を準用する。
2 前条の点検結果は、救助規程第17条第2号に基づく潜水資器材点検報告書により必要な事項を記載し、毎月末までに署長に提出しなければならない。
3 潜水隊長は、潜水業務の実施に際し、別表第2により潜水業務の記録をしなければならない。
4 特殊救助即時報告は、救助規程第15条を準用する。
(その他)
第13条 この訓令の運用に必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
別表第1(第7条関係)
潜水基準
項目 | 原則事項 |
水深 | 水深は、15メートル以下とする。 ただし、現場最高責任者が、潜水隊員の能力等を総合的に判断した場合はこの限りでない。 |
活動区域 | 水中活動区域は、陸上及び救助艇から30メートル以内の区域とする。 |
水中視界 | 水中視界は、0.5メートル以上とする。 ただし、現場最高責任者が、潜水隊員に対し水中視界に応じた潜水法等を指示し、十分な安全措置が確保できると判断した場合はこの限りでない。 |
波浪及びうねり | 波浪及びうねりは、気象庁風力階級等指定(昭和28年運輸省告示第58号)による風波階級3(波高0.5メートルを超え、1.25メートルまで、やや波がある。)及びうねり階級2(波高2メートル未満で長く弱いうねり。)以下とする。 |
水温 | 水温は摂氏10度以上とする。 ただし、ドライスーツ装着の場合は、この限りでない。 |
潜水時間帯 | 潜水時間帯は、日の出から日没までとする。 ただし、水面上の十分な照明及び水中照明を確保できる場合はこの限りでない。 |
潜水時間 | 潜水隊員1名の潜水時間(潜行開始から浮上開始までの時間)は、水深が10メートル以上の場合、1回の潜水活動でボンベ(14リットル)1本の使用時間内(浮上に必要な残圧を見込んだもの)。また、10メートル未満の潜水の場合は、ボンベ2本の使用時間内とする。 ただし、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)別表2(以下「潜水業務用時間表」という。)及び別表3(以下「潜水作業者修正時間」という。)に基づく無減圧潜水の範囲内の場合はこの限りでない。 |
その他 | ・潜水隊は、3点セット及びスクーバセット等を装着するとともに、水中時計及び水中ナイフを携行すること。 ・潜水活動は、常に2名1組(バティー潜水)を厳守するとともに、スタンバイダイバーを明確に指定すること。 ・潜水活動は、浮標を設定するとともに、浮標と重錘を連結する錘索を1メートルごとに表示しこれをさがり網として使用すること。 ・薬品槽及び著しく汚染された水域の場合は、ドライスーツの装着等の衛生管理に配慮すること。 ・浮上は、「潜水業務用時間表」及び「潜水作業者修正時間」に基づき行うこと。 |
*ナイフは、メッシュバッグ等の中に他の器材と一緒に(即座に取り出すことができない状態で)収納するとともに、携行は原則として潜水活動を行う場所への行き帰りのみとする。