○小美玉市火災予防査察規程
平成18年3月27日
消防本部訓令第9号
目次
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 査察計画及び執行(第9条―第16条)
第3章 査察結果の処理(第17条―第21条)
第4章 資料提出及び報告徴収(第22条―第24条)
第5章 補則(第25条―第28条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び第16条の5の規定に基づいて、火災を予防することにより住民の生命、身体及び財産を火災から保護するために行う立入検査等に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) 査察 法第4条及び法第16条の5の規定により消防対象物に立ち入り、その位置、構造、設備及び管理の状況について検査し、又は質問を行い、火災予防上の不備欠陥事項等(以下「不備事項等」という。)について関係者に指摘し、その是正を促すことをいう。
(2) 査察対象物 査察を執行する必要のある消防対象物をいう。
(3) 製造所等 法第10条第1項に規定する危険物の製造所、貯蔵所及び取扱所をいう。
(査察の原則)
第3条 消防長又は消防署長(以下「署長」という。)は、消防対象物について査察を執行し、火災から住民の生命、身体及び財産を保護することに努めなければならない。
(業務管理等)
第4条 消防長又は署長は、査察業務と行政責任とのかかわり合いを十分認識するとともに、世論の動向等を的確に洞察し、常に社会情勢に対応した査察の推進に努めなくてはならない。
2 消防長又は署長は、消防対象物の複雑及び多様化に対応するため、査察を行う消防職員(以下「査察員」という。)に対する研修の実施、自己啓発の助長等により査察技術の向上を図るよう努めなければならない。
3 消防長又は署長は、管轄区域内の査察対象物の実態把握に努めなければならない。
4 消防長又は署長は、積極的に地域住民へ火災予防上必要な情報を提供するとともに協働して査察対象物の安全確保に努めなければならない。
(査察対象物の区分及び範囲)
第5条 査察対象物の区分及び範囲は、別表第1のとおりとする。
(査察の種別)
第6条 査察の種別は、次に掲げるとおりとする。
(1) 通常査察 査察対象物の火災予防上必要な事項について、計画に基づき実施する査察
(2) 随時査察 住民等から防火上の要請があった場合等、計画外で機動的に必要な事項について実施する査察
(3) 特別査察 消防長又は署長が、特定の業態又は区域内の査察対象物について、査察の必要があると認める場合においてその実施を命じて行う査察
(4) 確認査察 査察により指摘した不備事項等の是正状況を確認するために行う査察
(査察員等)
第7条 査察員は、次に掲げるとおりとする。
(1) 本部査察員 消防本部予防課の消防職員
(2) 署査察員 消防署において隔日勤務をしているすべての消防職員
2 消防長は、査察の執行上必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の消防職員を査察員として指定することができる。
(査察の担当区分)
第8条 査察の担当区分は、別表第2に掲げるとおりとする。
第2章 査察計画及び執行
(査察計画等)
第9条 消防長は、毎年2月末日までに翌年度の定期査察の重点実施事項を示すものとする。
2 予防課長及び署長は、消防長が示した重点実施事項により、年間の査察計画を年間査察計画表(様式第1号)により3月15日までに樹立し、消防長に報告するものとする。
3 予防課長及び署長は、翌月の具体的な査察計画を月間査察計画表(様式第2号)により毎月末日までに樹立しなければならない。
4 消防長は、火災発生状況又は社会情勢等により必要と認めた場合は、既定の計画を変更できるものとする。
(計画の優先)
第10条 査察計画の樹立に際しては、査察対象物の危険実態、自主管理状況、防火管理等の届出状況及び過去の査察結果から査察の優先順位を考慮するものとする。
(査察の実施方法)
第11条 査察の実施方法は、次に掲げるとおりとする。
(1) 本部査察 本部査察員が実施する査察
(2) 合同査察 本部査察員及び署査察員が合同で実施する査察
(3) 署査察 署査察員が実施する査察
(4) 集中査察 地域を定め、当該地域内に存する査察対象物に対し、査察員を集中して実施する査察
(本部査察員の派遣)
第12条 署長は、査察の執行に当たって技術支援等の必要があると認めるときは、消防長に本部査察員の派遣を要請することができる。
2 消防長は、前項に規定する要請があったとき又は必要があると認めるときは、その状況に応じた本部査察員を派遣するものとする。
(署査察員の協力)
第13条 消防長は、査察の執行に当たって必要があると認めるときは、署長に協力を求めることができる。
2 署長は、前項に規定する協力の要請があったときは、協力をするものとする。
(関係行政機関との連携)
第14条 消防長は、査察により他の法令の防火に関する規定の違反又はその疑いがあるときは、所管行政庁へ通知するものとする。
2 消防長又は署長は、関係行政機関と十分な情報提供及び連絡調整を行い、当該関係行政機関と合同で立入検査を実施することができるものとする。
(査察員の遵守事項)
第15条 査察員は、査察の執行に当たっては、法第4条及び第16条の5に規定するもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 消防法令等の関係法令に精通するとともに、査察に必要な知識の習得及び査察能力の向上に努めること。
(2) 服装は、原則として制服又は作業服とすること。
(3) 態度を厳正にして言葉づかいを丁寧にし、不快感を抱かせないよう注意すること。
(4) 不備事項等に対しては、理由及び法的根拠を明らかにして懇切丁寧に指導するとともに、火災予防上必要な指導事項があった場合は、適正な判断により査察対象物の業態、性質等に応じた的確な指導に努め、重大な不備事項については、必要に応じて関係のある者の承諾を得て記録をするために写真を撮影し、又は図面を作成するものとする。
(5) 査察の執行に際し、正当な理由がなくこれを拒み、妨げ、若しくは忌避する者がある場合は、査察の要旨を説明し、なお応じないときは、関係者等の忌避等の理由を確認した上で査察を中止し、別に定めるところにより対応すること。
(6) 効率的な査察の執行に資するため、関係者に立会いを求めること。
(7) 査察の執行に際し、住民等から防火上の要請があった場合その他別に定める場合で事前連絡をすることによって一時的に是正され違反実態の把握ができない場合は、事前連絡をしないこと。
(8) 機器の操作については、関係者等に操作を求めること。
(9) 査察員は、原則2人以上で行動し、相互に補完すること。
(10) 査察の執行に際し、消防対象物の関係者の民事紛争に関与しないこと。
(査察時における検査事項)
第16条 査察は、査察対象物の実態に応じて、次に掲げるものの位置、構造、設備及び管理の状況等について行うものとする。ただし、当該査察対象物の状況に応じ、自主点検状況の記録、消防用設備等点検結果報告書その他の資料を確認し、その結果必要と認める事項又は査察対象物の部分について行うことができるものとする。
(1) 建築物及び工作物
(2) 防火管理者、危険物保安監督者等の業務遂行状況
(3) 消防計画、予防規程等の内容
(4) 火気使用設備及び器具
(5) 避難施設及び防火設備
(6) 防炎物品
(7) 消防用設備等
(8) 危険物製造所等
(9) 指定数量未満の危険物及び指定可燃物
(10) 電気、ガス及び火薬類等関係施設
(11) 前各号に掲げるもののほか、火災予防上及び消防活動上必要と認める事項
第3章 査察結果の処理
(検査結果の通知)
第17条 査察員は、査察の結果を別に定める場合を除き、立入検査結果通知書(様式第3号の2。以下「通知書」という。)により、査察対象物の関係者に通知するものとする。
2 不備事項等が、重要若しくは異例のもの又は法令解釈等に疑義が生じたときは、直ちに、上司に報告し、指示を得た後でなければ通知書を交付してはならない。
(改善結果・計画書の提出)
第18条 消防長又は署長は、査察対象物の関係者に通知書で指摘した不備事項等について、査察対象物の関係者から改善結果・計画書(様式第3号の3。以下「改善報告書」という。)の提出を、通知書を交付した日の翌日から起算して原則10日以内に求めるものとする。
2 消防長又は署長は、改善報告書の提出があったときは、その内容を検討し、必要があると認めるときは、計画の変更その他必要な措置をとるよう指示するものとする。
(追跡指導)
第20条 消防長又は署長は、通知書により不備事項等を指摘したときは、その経過状況を確認するとともに、不備事項等が早期に改善されるよう継続して指導するものとする。
(違反処理)
第21条 消防長又は署長は、次に掲げる場合には、小美玉市火災予防違反処理規程(平成18年小美玉市消防本部訓令第10号)の規定により、違反処理を行うものとする。
(1) 提出期限を過ぎても改善報告書が提出されない場合
(2) 改善報告書の内容に不備があるにもかかわらず指導に応じない場合
(3) 改善報告書に記載されていた改善予定期日に改善が完了していない場合
第4章 資料提出及び報告徴収
(資料提出命令等)
第22条 消防長又は署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者等に対して、資料(消防対象物の実態を把握するために必要な既存の文書等をいう。以下同じ。)の任意提出を求めるものとする。
(報告徴収)
第23条 消防長又は署長は、前条の規定による資料以外のもので、火災予防上必要があると認められる事項については、任意の報告を求めるものとする。
3 消防長又は署長は、提出者が返還を求めた資料等は保管しなければならない。
第5章 補則
(2) 製造所等 危険物製造所等許可台帳(様式第11号)
(3) 少量危険物施設又は指定可燃物施設 少量危険物・指定可燃物施設台帳(様式第12号)
2 査察員は、査察を行ったときは、台帳に必要事項を記録するとともに、記録事項に変更が生じたときは、速やかに、整理しておくものとする。
(改善状況等の記録)
第27条 消防長又は署長は、査察結果で不備事項等を指摘したものについて改善報告書の提出状況及び確認検査日実施日を改善状況記録書(様式第15号)により記録するものとする。
(その他)
第28条 この訓令の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成18年3月27日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の日の前日までに解散前の小川・美野里・玉里広域消防事務組合消防本部立入検査等に関する規程(昭和56年小川・美野里・玉里広域消防事務組合訓令第10号。以下「旧規程」という。)の規定によりなされた手続その他の行為は、この訓令の相当規定によりなされたものとみなす。
3 この訓令の施行の際、旧規程の規定により調製した帳票で、現に残存するものについては、当分の間、必要な箇所を訂正した上、引き続き使用することができる。
附則(平成20年消本訓令第4号)
この訓令は、平成20年10月1日から施行する。
ただし、6項ニについては、平成21年4月1日から施行する。
附則(平成28年消本訓令第10号)
(施行期日)
1 この訓令は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際、第1条の規定による改正前の小美玉市火災予防査察規程、第2条の規定による改正前の小美玉市消防本部火災予防事務処理規程及び第3条の規定による改正前の小美玉市火災調査規程に規定する様式による用紙で、現に残存するものは、当分の間、所要の修正を加え、なお使用することができる。
附則(令和4年消本訓令第2号)
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
別表第1(第5条、第25条関係)
査察対象物区分表
区分 | 範囲 | |
第1種防火対象物 | 法第8条第1項の規定により、防火管理者を定めなければならない防火対象物で、法第17条の2の5第2項第4号に規定する特定防火対象物(以下「特定防火対象物」という。)及びこれらに属する物件(製造所等を除く。) | |
第2種防火対象物 | 法第8条第1項の規定により、防火管理者を定めなければならない防火対象物(特定防火対象物を除く。)及びこれらに属する物件(製造所等を除く。) | |
第3種防火対象物 | ア | 法第17条第1項の規定により、自動火災報知設備を設置しなければならない防火対象物(第1種、第2種防火対象物を除く。)及びこれらに属する物件(製造所等を除く。) |
イ | 法第17条第1項の規定により、消火器を設置しなければならない防火対象物(第1種、第2種及び第3種ア防火対象物を除く。)及びこれらに属する物件(製造所等を除く。) | |
第4種防火対象物 | 第1種、第2種及び第3種防火対象物以外の査察対象物及びこれらに属する物件(製造所等を除く。) | |
製造所等 | 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
少量危険物施設 | 法第9条の3の規定により、危険物の規制に関する政令で定める数量の5分の1以上(個人の住居で貯蔵し、又は取り扱う場合は、2分の1以上)指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う施設 | |
指定可燃物施設 | 小美玉市火災予防条例(平成18年小美玉市条例第155号)別表第8で定める数量の5倍以上(可燃性固体類、可燃性液体類及び合成樹脂類にあっては同表に定める数量以上)の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱う施設 |
別表第2(第8条関係)
査察担当区分表
査察員 | 担当区分 |
本部査察員 | 1 特定防火対象物で、延べ面積1,000平方メートル以上の防火対象物 |
2 非特定防火対象物で、延べ面積2,000平方メートル以上の防火対象物 | |
3 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第4条の2の2に掲げる防火対象物(上記1に該当するものを除く。) | |
4 製造所等 | |
署査察員 | 本部査察員の担当区分以外の査察対象物 |
様式目次