○小美玉市議会議員の政治倫理に関する条例

平成21年10月1日

条例第27号

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託に基づくものであり、公職にある者が、私的な利害関係によって公職の遂行を妨げられることがあってはならないことを認識し、その担い手たる市議会議員(以下「議員」という。)が、市民全体の奉仕者として、その人格と倫理性の自覚を高め、市政に対する市民の信頼を強固にすることを目指すものである。いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう未然に政治腐敗を防止するため必要な措置を定め、その高潔性を自ら実証することにより、市政に対する市民の信頼に応え、併せて市民の市政に対する正しい認識と自覚を喚起し、もって健全なる市政の発展に寄与することを目的とする。

(議員及び市民の責務)

第2条 議員は、市民全体の代表者として自らの役割を深く自覚し、市民の信頼に値する倫理性及び高潔性の保持に徹して活動し、その使命の達成に努めなければならない。

2 市民は、主権者として自らも市政を担い、公共の利益を実現する責任があることを自覚し、議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(議員の政治倫理基準)

第3条 議員は、市政に携わる責務を深く自覚し、人格及び倫理の向上に努めるため、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 市民全体の奉仕者として、品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 常に人格と倫理の向上に努めることにより、職務の公正さを堅持し、自己の地位を利用した不正行為による報酬、利益その他一切の金品の授受の行為をしないこと。

(3) 政治活動に関する寄付行為について、政治的又は道義的批判を受けることをしないこと。議員の後援団体についても同様とする。

(4) 市が行う認可、許可、命令に関して、特定の業者のために有利な取り計らいをしないこと。

(5) 市職員採用に関して、推薦、紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。

(6) 市が行う請負契約及び一般物品契約に関して、特定の業者を推薦、紹介するなど有利な取り計らいをしないこと。

2 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれたときは、第5条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにするよう努めなければならない。

(契約等に関する遵守事項)

第4条 議員、その配偶者、2親等以内の親族及び同居の親族が関与する企業は、市及び市が構成団体となっている公共団体(以下「市等」という。)に対し、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2の趣旨に則り、工事請負、物品納入及び業務委託の契約(以下「契約」という。)並びに下請工事を辞退しなければならない。

2 議員は、前項の規定により関係企業が契約を辞退するときは、市民に疑惑を持たれないように責任をもって関係企業の辞退届を提出するものとする。

3 前項の辞退届は、議員の任期開始の日から30日以内に議長に提出するものとする。

4 議長は、前項の辞退届の提出があったときは、その写しを市長に送付しなければならない。

5 議員、その配偶者、2親等以内の親族及び同居の親族が関与する企業の範囲については、規則で定める。

(政治倫理審査会の設置)

第5条 政治倫理確立のため必要な事項の調査をするため、法第138条の4第3項の規定に基づき小美玉市議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、市民から議員の政治倫理基準及び遵守事項の違反に関しての調査請求があった場合、当該議員に対し、事情聴取又は資料の提出若しくはその関係者に対し必要な調査を行うものとする。

3 審査会の委員は7名以内とし、地方自治の本旨に理解があり、かつ、専門的知識を有する者(以下「有識者」という。)及び法第18条に定める選挙権を有する市民の中から必要な都度、市長の推薦を得て議長が委嘱する。

4 審査会の委員は、審査が終了したときは、解任されるものとする。

5 第3項の規定により委嘱された委員に欠員が生じた場合は、速やかに委員を補充するものとする。ただし、補充された委員の任期は前任者の残任期間とする。

6 審査会の会議は原則として公開とする。ただし、出席委員の3分の2以上の同意をもって、非公開とすることができる。

7 審査会の委員は、非公開のものについては職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

8 審査会の調査記録については、その写しを原則として所定の場所で閲覧することができる。ただし、審査会で非公開とした文書についてはこの限りではない。

9 審査会の委員の受ける報酬及び費用弁償については、次のとおりとする。

職名

報酬額

旅費の額(相当する額)

政治倫理審査会委員

日額 10,000円

副市長

(調査請求権)

第6条 市民(小美玉市選挙人名簿に登録されている者をいう。以下同じ。)は、議員が第3条第4条に規定する事項に違反する疑いがあると認められるときは、これを証する資料を添え、市民100人以上の署名、捺印とともに、議長に調査請求をすることができる。

2 議長は、前項の規定により市民から調査の請求を受けたときは、第5条第3項に規定する審査会委員の委嘱をするとともに、直ちに審査会に調査を求めなければならない。

(調査報告及び公開)

第7条 審査会は、議長から調査を求められたときは、90日以内に調査し、その結果を書面により議長に報告しなければならない。

2 議長は、審査会から前項に基づく報告を受けたときは、調査請求者に対し、7日以内に書面により通知しなければならない。

3 議長は、市民の請求に応じて、前項に基づく調査報告書を閲覧させることができる。

(刑法事犯の有罪判決宣告後における説明会)

第8条 議員は、刑法事犯により有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、当該判決の日の翌日から起算して30日以内に、議長に市民に対する説明会の開催を求めるとともに、説明会に出席し釈明することができる。

2 市民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、市民の100分の1以上の連署をもって、同項に規定する判決の日の翌日から起算して30日を経過した日以後30日以内に、議長に対し、説明会の開催を請求することができる。

(違反の措置)

第9条 議長は、審査会の報告に基づき、議員が第3条第4条の規定に違反すると認めたときは、当該議員に対する辞職勧告について議会に諮ることができる。

(委任)

第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日等)

1 この条例は、平成21年10月1日から施行する。

2 この条例の施行の際現に議員である者に対する第4条第3項の規定について、同条同項中「議員の任期開始の日」とあるのは「この条例の施行期日」に読み替えるものとする。

(平成24年条例第25号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成27年条例第31号)

この条例は、公布の日から施行する。

小美玉市議会議員の政治倫理に関する条例

平成21年10月1日 条例第27号

(平成27年9月25日施行)